Ｉ型の欅のキッチン

欅材を使ってキッチンを制作しました。
ハンドルはアイアン、引出し収納はお手入れがしやすいようにblum社のレールシステムを採用しています。
収納は引出しが9杯、オープン収納が2か所の大容量です。
一升瓶も入るサイズの深い調味料収納も兼ね備えています。

私たちが松川に移転する前からの友人宅にキッチンを収めさせていただきました。
先代のお父様が持っていらっしゃった欅が使われることなく眠っていたことから、リフォームに合わせてキッチンを欅で作れないかというご相談をいただきました。

振り返れば、とてもいいタイミング、そしてパートナーだったのだと思います。

これまでの私たちだったら、個人で所有している材を使って制作させていただくことにいろんな意味でしり込みをしていたと思うのですが、作り続けてきたことで変わってきた意識が、この欅材で作ってみよう、作ってみたいという気持ちになりました。

反るかもしれない、割れるかもしれない、そんなことも自然素材のなせる業で、それも丸ごと受け止めてくれるお施主さんで、制作者も自分の思い、想いのままに制作させていただくことができました。

出来上がったキッチンは、しっくりと馴染んでくれて、欅という和なイメージもいい意味で外れてくれて、私の中では、プラネットキッチン。木目が惑星のようで、何だか吸い込まれそうです。

信州の人に限らす、山が近くにあるところに住んでいる人にとって、先代の人たちはもっと山を身近に感じながら暮らしていたんだろうな。木や森の恩恵というものをしっかり感じていたのだと思う。

眠っている木を生かす。

そんな取り組みも私たちのお仕事とさせていただけたらいいかもしれないと感じることのできた制作となりました。

ありがとうございました！